恵庭のさんぎょう のうぎょう
 食糧を育てて作るのは人間にしかできないことであり、農業はそのいちばん大事な産業になります。
おなかいっぱいに食べる→おいしい・めずらしいものを食べる→あんぜん・あんしんして食べるなどに食糧に対する人間の考え方も時代によって変化してきました。

 恵庭の農業も時代が要求するさまざまなことに応えながら進められています。
恵庭市は土地の使い方を大まかに分けると、総面積の23.6%が農用地であり、森林地帯が44.3%、自衛隊演習場が23.4%、市街地が6.2%、その他2.5%になります。農用地は約24%にすぎません。

 土地も古くは支笏・恵庭岳、たび重なる樽前山の火山性放射物などに覆われていて、決して恵まれた土地ではありません。(恵庭郷土資料館所蔵地層の模型を参照)

 気候は、太平洋側気象区の特徴で、積雪がわりあいと少なく、春は太平洋からの濃霧をともなった季節風が吹き、気温が低い日が続きますが、夏は雨も多くふり、年間を通してみると寒暖の差は小さいといえます。

 ビニールシートやマルチ、ビニールハウスなどで温度を保ち、暗渠(あんきょや客土(きゃくどなども行い土地にあわせた農業が営まれてきました。

暗渠(あんきょ)とは、地中に埋設された河川や水路のこと
客土(きゃくど)とは、土壌を取り除き、他から新しい土壌を入れること


 恵庭市のおもな作物
 (北海道農林水産統計年報 平成18年〜19年)
作物名    収穫量 (単位:トン) 面積 (単位:ヘクタール)
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だいこん logo1 logo1
じゃがいも logo1 logo1
にんじん logo1 logo1
きゃべつ logo1 logo1
かぼちゃ logo1 logo1

 その他の作物
 (北海道農林水産統計年報 平成18〜19年)
作物名 収穫量 (単位:トン) 面積 (単位:ヘクタール) 
小麦 logo1 logo1
そば logo1 logo1
大豆 logo1 logo1
小豆 logo1 logo1
アスパラ logo1 logo1
トマト logo1 logo1
はくさい logo1 logo1
ネギ logo1 logo1
スイートコーン logo1 logo1
てん菜 logo1 logo1
デントコーン logo1 logo1

※この他にも 花き、工芸作物などもつくられています。

どんな品種の米がつくられているか
 北海道でもおいしい色々な米が作られるようになり、恵庭でも何種類かの品種が作られています。恵庭・北広島営農センター農畜産課(水稲品種別作付面積)によると平成19年度は、きらら397が77ヘクタール、ほしのゆめが169ヘクタール、ななつぼしが323ヘクタール、大地の星が180ヘクタール、あやひめが2ヘクタール栽培されています。

クリーン農業
 化学肥料や農薬の使用をできるだけ減らした農業をクリーン農業といいます。恵庭市でも稲わら等を使ったたい肥づくりなどいろいろな工夫をすすめています。「YES clean」マークを使用して、安全な農作物をピーアールしてきました。

地産地消(ちさんちしょう)
 地産地消(ちさんちしょう)とは地域生産地域消費(ちいきせいさん・ちいきしょうひ)の略で、地元でとれた農作物を地元で食べようという考えです。
 同じようなスローガンをイタリアでは「スローフード」と呼び、地域に伝わる食材をつかい調理法もむかしからの方法で食べようとの運動があります。
 新鮮でおいしい農産物を食べることをみんなで考え、農家の人も「道の駅 花ロードえにわ」や道路わきの直売店などで野菜を直接売ったりする取り組みをはじめています。
道の駅
道の駅 花ロードえにわ

畜産農業
 恵庭市においても家畜として、牛・豚・とりなどを飼養している農家があります。酪農が規模的には大きいですが他の畜産農家もいろいろな工夫をして営農しています。

家畜をかっている農家数と頭羽数 (市経済部農政課の資料 平成20年)
  乳用牛 肉用牛 鳥(卵用)
農家の戸数 24 8 5 5
家畜の頭数 2,297 163 4,002 127,480
酪農家の苦労
 パックの牛乳、バターやチーズは生活の中で身近なものでありますが、これらの原料をつくり出している酪農をいとなむ農家の人たちのさまざまな苦労や努力を私たちは知らないでいます。

 まず、牛は生きものなので、毎日エサを食べさせらければなりません。酪農をいとなむ人は土曜も日曜日もなく働くことになります。 また、牛乳は生ものなので出荷まで傷まないように気をつけることも大事なことです。牛乳は搾乳(さくにゅう)することによって生み出されますが、いつまでも乳を出すわけではありません。
 哺乳類であればみな同じですが出産後の一定期間だけ乳が出るのであり、それは人間も同じことです。経済動物である牛から乳をたくさんしぼりだすためには、出産を何度もくりえして行う必要があります。

 人工授精で何度も子牛を産ませますが、出産が夜になるか朝になるか決まっていないので眠らない牛につきそうこともめずらしくないそうです。また、生まれた子牛がメスの場合は乳牛として育てることになりますが、オスを育てることはほとんどなく、肉牛として早い時期に出荷されます。このような酪農の姿は、スーパーにならぶ乳製品の棚を見てもほとんどの人は思い浮かばないのではないでしょうか。

 今、日本の中では北海道はいちばん酪農が盛んな地域であり、恵庭市にも2,000頭をこえる乳牛が飼われています。これは明治時代に北海道の開拓をすすめる中で土地や気候が酪農にあっているということで、アメリカからエドウィン・ダンなどの技術指導者を招いてすすめられたことによります。
 昔の日本は牛肉を食べることも牛乳を飲む習慣もほとんどありませんでした。
 牛は荷車を引いたり、農耕のための道具(動力)としてつかわれるのがほとんどでした。しかし、今は肉や乳製品が食生活のなかで大切なものとなりました。
 これからの酪農は、海外からの安価な乳製品の輸入への対応や食の安全を考えての衛生管理など施設の近代化、経営体制の法人・会社組織などの試みなどたくさんの課題が残されています。